こんばんは。kktです。
記事名でお察しの通り4046の利用についての記事です。読み返すとこのシリーズの前回の記事は表現や説明がガバガバ過ぎたのでほとんどメモ的なものだと思ってください(?)。前回は軽く各ピンの機能を説明しましたが、一番大事な負荷の位相のことを考えるのを忘れていたので考察します。
LC直列共振回路の場合を考えます。PLLのロック、アンロック状態を決める位相の状態は、基準波形に対して遅れている、進んでいる、位相差無しの3つが考えられます。今回は実際にLC共振回路を動かしてみて各部の波形を見てみましょう。ちなみにコイルは実測110μH、コンデンサは0.39μFのものを使用しましたので共振周波数は24KHzくらいでした。
まず、駆動周波数が共振周波数より低い場合。
0Vラインより上の矩形波がLC共振回路の入力電圧波形、変な正弦波みたいのがLC共振回路の共振回路の電流波形です。見ての通りですが電圧波形が立ち上がる前に電流波形が立ち上がっていますので位相は進んでいます。
今度は駆動周波数と共振周波数が合っている場合
画像のホワイトバランスが変ですいません。電圧と電流の位相は合っています。ついでに共振回路のQが常識的に高いと矩形波で駆動しても電流波形は正弦波になります。今回はだいぶ歪んでるけど…。
そして駆動周波数が共振周波数より高い場合
電圧波形が立ち上がっているのに電流波形は遅れて立ち上がっています。位相は遅れていますね。
以上より、直列共振回路の場合、PLLの制御は電圧波形を基準にすると
位相の進みを検出:周波数を上げる
位相の遅れを検出:周波数を下げる
というので問題ないはずです。
さて、共振回路の位相の状態が分かったところで、LC直列共振回路の共振周波数を探す回路を実際に作りたいと思います。いきなりIHやテスラコイルを作るのは難易度が高いので小型のCとLを直列に接続してそれをドライブすることで簡易的に負荷を再現することにしました。周波数可変範囲100~300[kHz]にし、LC回路の駆動は簡単のためとスイッチング素子用のゲートドライブICを使用することにします。
まずVCOの設計をします。
最小周波数Fminは100[kHz]、最大周波数Fmaxは300[kHz]、電源電圧5[V]とするとデータシートのFigure6より、C1=1000[pF] R2=10[kΩ]あたりで良さそうです。CもRも精度が出るような部品を使用するつもりはありませんし精度が重要な場所でもないのでむしろ可変抵抗にしてしまっても問題ないでしょう。可変範囲を後から変更できるしそのほうが良いかもしれません。
次に、R1を求めます。周波数可変範囲係数(ワイが勝手に命名)=Fmax/Fminが必要なので計算します。今回は3です。この数値からFigure7を見るとR2とR1の比が求められます。縦軸3のところを見るとだいたいR2/R1は2くらいなのでR1=5[kΩ]と求まりました。2つとも可変できるようにするとかなり広い範囲で対応できそうですが調整が結構めんどくさそうなので今回は固定にしてしまいます。
以上より、C1=1000[pF] R1=5[kΩ] R2=10[kΩ] とします。
次にVCOとPC(位相比較器)の接続部分を設計しようと思います。が、先ほどのデータシートにはLPFの設計についてほとんど記述がありません。LPFの定数設定は、周波数制御の安定性を決める重要な部分と思われるので適切に設計したいところです。海外等の作例を見ていると遮断周波数は数百Hz~数Hzとバラバラです。安定動作と過渡応答の特性を両立させるには実機で確かめる必要がありそうです。根拠は無いですがとりあえず70Hz(手持ち部品の関係ですが)くらいで試してみます。具体的にはC=0.1[uF] R=22[kΩ]にしました。
比較する位相は、実用的にLC共振回路の電流と入力電圧波形(VCOのすぐあと)にするとすると、4046が前述の動作をするには14ピンに電流の位相信号(カレントトランスかシャント抵抗で検出)、3ピンに入力電圧波形で良いことがデータシートのFigure1から分かります。これで位相が進んだらVCOへの電圧が上がり、周波数を上げることができます(逆もまた然り)。
ところで前回記事で4046の位相比較器1(XOR構成)はゴミみたいに書きましたがFig1を見ると普通に使えそうですし、よく考えたら位相比較器2の方でもどっちの入力位相基準にするかは、ちゃんと確認しないといけませんね。すいません。余裕があればPC1の方も使ってみたいと思います。
ついでに4ピンに入力される信号と実際にLC共振回路を駆動する信号はどうやら若干遅れがあることが分かっているので遅れ時間を少し可変できる遅延回路を組んで様子を見ることにします。
と、ここまで決まりましたが回路の実装はもうちょっと時間が掛かりそうなのでここで一旦今回は終了ということで、次回までお待ちください。
それでは、今日はこの辺で。
比較する位相は、実用的にLC共振回路の電流と入力電圧波形(VCOのすぐあと)にするとすると、4046が前述の動作をするには14ピンに電流の位相信号(カレントトランスかシャント抵抗で検出)、3ピンに入力電圧波形で良いことがデータシートのFigure1から分かります。これで位相が進んだらVCOへの電圧が上がり、周波数を上げることができます(逆もまた然り)。
ところで前回記事で4046の位相比較器1(XOR構成)はゴミみたいに書きましたがFig1を見ると普通に使えそうですし、よく考えたら位相比較器2の方でもどっちの入力位相基準にするかは、ちゃんと確認しないといけませんね。すいません。余裕があればPC1の方も使ってみたいと思います。
ついでに4ピンに入力される信号と実際にLC共振回路を駆動する信号はどうやら若干遅れがあることが分かっているので遅れ時間を少し可変できる遅延回路を組んで様子を見ることにします。
と、ここまで決まりましたが回路の実装はもうちょっと時間が掛かりそうなのでここで一旦今回は終了ということで、次回までお待ちください。
それでは、今日はこの辺で。
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