免責事項

注意、免責事項について
・高電圧、大電流その他高エネルギを扱う実験を行う際にはくれぐれも安全に配慮し、細心の注意を払って行うようにしてください。
・当ブログの記事を参考にして発生した損害についてFEL研究室はいかなる責任も負えませんでご了承ください。
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2016年8月11日木曜日

PLL IH 続き

こんばんは。ニコニコピーs…KKTです✌
実質夏休みがあと二週間ありません。もうおしまいです。
窓枠に部品が落ちているせいで窓が閉まらなくて困っています。

今回はいつものIHの記事です。加熱コイルとコンデンサを新調しまして安定して動くかなぁというところです。制御回路はいつもの4046の奴です。
裏に部品を色々追加したので地に足が付きませんね。追加したのは以下の回路です。
加熱コイルに流れる電流をパルス化する回路です。電流値も一緒に検出できたら良いのですが今のところこの回路からは位相情報しか得られません。100kの抵抗はカレントトランスの一次電流によってはかなり電圧がかかるので僕は1W品を使用しました。47nのコンデンサも耐圧が高いほうが良いでしょう(僕は50Vのを使いましたがもう少し高いほうが良さそう)。CurrentPhaseの出力を4046の14ピンに繋ぐだけです。
 新調した共振回路部です。トランスがごちゃごちゃしています。大きい方のトランスがインピーダンス変換用のトランスで、巻数比は1:9です。簡易的に計算すると共振回路のインピーダンスは0.08Ωくらいのようです(?)。
小さい方のトランスはCTです。写真には無いですが1:33のを二つ用意して1:999として使っています。何故か結構発熱します。ピーク500A近く流してるからでしょうか。
挟まっている紙はショートしないように入れてみました。
 コイルの大きさは500mlのペットボトルより一回り大きいくらいでしょうか。
 黒い円筒状のものがコンデンサです。2.5uF 700V耐圧です。某氏に頂きました。感謝です。
入力電力を上げていくとあるところでチリチリと音がし出して動作が不安定になるのですが、コンデンサの端子電圧を測定したところどうやら耐圧オーバーなようです。もう一つ同じコンデンサがあるので直列にして耐圧を稼ごうかと思ったのですが共振周波数が上がってスイッチング損失が増えそうなので微妙なところです。パラったら共振電流が増えて電圧下がるんじゃないかと思うので気が向いたらやってみようと思います。現状コンセントの限界である1500Wを突っ込む前にコンデンサの耐圧の限界来てるので少しもったいないですね。
 いつものパワー回路。600V200AのIGBTです。測定したところ素子の電流はピーク50Aくらいだったのでフルブリッジにすれば30Aくらいの素子でもフルパワー出せそうです。ちとゲートが重いのでゲートドライバが苦しそうなのが心配です。

という感じでほとんど写真でごまかしました。次回(次の記事を指してる訳では無い)はオシロが無い人でも位相の調整ができるような共振検出器の記事を書こうかと思っています。
それでは、今日はこの辺で。

2015年9月28日月曜日

4046応用的な

おはようございます。こんな時間に活動している人はものすごく健康的な人か不健康な人なのでしょうか。kktです。最近ゲームばっかしてたら寝てる間もそのゲームをする夢ばかり見るようになってきたのでそろそろ控えようと思いました。

前回記事でIHのことを書いたりしたのでその辺の写真をちょっとだけ…。回路構成は簡単で、例のPLL回路からIGBTのハーフブリッジをドライブして、インピーダンス変換トランスを介して加熱コイルおよび共振系をドライブしています。IGBTは600V200Aなモジュールでして、ドライブは意外とうまく行っているようで発熱は自然空冷でなんとかなっています。僕が個人的にポイントだと思うのはインピーダンス変換の部分でして、そこを少し。
赤い線が一次側、二次側は銅管を通過させているだけです。トランスによるインピーダンス変換は巻数比の二乗の比でインピーダンスが変わるので画像だと一次側からは二次側のインピーダンスが8^2倍、64倍に見えます。こうすると何が良いかって二次側が共振してかなり低インピーダンスになっても一次側にはそんなに電流が流れず、入力電圧を上げることができる点だと思います。入力電圧を上げれるようになれば同電力でも損失がより少なくなりますし、電流の点では素子も破壊しにくくなりますしあまり損は無いんじゃないかと。ちなみに、最大出力付近ではピーク150Aほどの電流が二次側には流れ4mmの銅管ですと数百度まで温度が上昇します。しかし一次側は図のようなビニール線でも少し暖かくなる程度で、共振電流を直接素子に流す必要のないことが分かります。
ただし、このサイズのコアがなかなか入手しづらいことがネックになるのではないかと思います。これは日本橋でたまたま見つけて購入したものですが、一般的にはフライバックトランスのコアなんかが良いんじゃないかと思います。

次にIHにおいて重要なのがLC共振系ですが、Lは適当に銅管やら巻いたらできあがりです。しかしCは低ESRかつ高耐圧でないと安定した出力は得にくいようです。しかし、そういったコンデンサは高価であります。

そこで、電子部品のコスパが非常に良い秋月さんのこいつです。
 商品名忘れましたが高耐圧フィルムコンデンサみたいのだった気がします。小さいですが630V0.01uFです。こいつを並列にたくさん繋いでやって容量を稼ぎつつ耐電流も増やす作戦です。
不安になってきます。
???

発熱がすごそうなので追い打ちをかけて水冷にします。(?)
 なんか残念感が漂ってきますがかっこ良くないこともないので良しとします。余談ですがこれ見た方に絶縁について質問を数回頂いたのですが、正直よく分からないです。油のほうがいいに決まってますが電気分解されたところで短時間だったら大丈夫じゃね?ってのが本音です。

さてこれでIHの基本要素は大体揃いました。以下楽しいIHの写真でお送りいたします。
 なんかこの写真前回載せた気がします。
コイルに近づくとデジカメに妙な縞が走るのはダメな奴ですかね。
 ボルトとナットを加熱。溶解まで持っていけそうなんですがまだちょっと改良が必要。

ここで加熱コイルを変更。
 CPUクーラくんは何もしてないです。ただの台座です。
コイルの口径を小さくして小さい加熱対象における効率UPを図りました。
 悪くなさそうです。温度高そうです。写真撮るの忘れましたが、M5のネジなら温度上がって花火みたいにパチパチなりかけるとこまでは行きました。

しかし調子こいてると
 加熱コイルまで赤熱しだしました。4mmは細い(遺言)。
おかげで、なまされてとても柔らかくなってしまいました。
で、ここまで赤熱してんのになぜ溶かせないのかと思ったあなた。色々あるんですが、まず最大入力である1500Wを連続で入力してるといろんなとこの発熱が大変なんです。例えば銅管同士をつないでいるハンダが溶け落ちたり、
あろうことかコンデンサの水が沸騰したり。

あと不思議なことに金属を加熱していると、温度によって入力電流が変わってきます。赤熱してくるとだいぶ入力電流が増えるんですが、溶解寸前で頭打ちになってそれ入力電圧上げないと電流が減っていきます。周波数との関係もありそうです。

なお、PLLが追尾するのは共振周波数であって最適な負荷状態ではないので、無負荷でPLLが勝手に共振周波数に追尾して入力電流がアホみたいに流れることがあるので注意しましょう。

 これで今日の記事はおしまいです。駄文失礼しました。

~次回予告的なこと~
これは偶然発見したんですが、ある方がPLLでテスラコイルを作っておられるようでして、当ページをご覧になったようでした。ということで次回までにPLLSSTCについて少し実験してみることにします。ちょっとだけ実験してみたのですが、共振周波数が高い小さいコイルではシングルドライブが簡単で良いのですが、これにはやはり一次側を共振させないと放電が伸びない上に効率が悪そうだと思いました。何かあればお気軽にコメントしてください。

それでは、今日はこの辺で。

2015年9月22日火曜日

4046について その4

こんばんは。kktです。実はテスト期間中です…。
4046シリーズ記事もとうとう最終回になると思います。よく4回も続いたな
ようやく位相補正回路を組みまして、基板が完成しました。
面倒だったので配線図書かずに作ったらなんか左に寄りました^^
左の方にある8ピンX2はゲートドライブICを載せます。個人的にあまりDIPのゲードドライバは許容損失的に好きじゃないのですが、インターフェースが楽だったので誘惑に負けて使用。ちなみに実験ではゲートドライブICの出力で主スイッチング素子であるIGBTのゲート駆動用のMOSFETのプッシュプルを駆動するという本末転倒なことをしております。

とまぁ雑談はこれくらいにして本題でありこのシリーズの最終目標であった4046PLLの回路図をまず以下に。
 SignalOutが出力、CTが電流の位相信号入力です。ボリュームで適当に位相を送らせて出力に対する位相の遅れを補正します。で、地味に苦労したのがCTで検出した信号を入力する部分です。ここに遅れがあると図中の位相補正回路(CR遅延回路)で補正しきれない場合が多く、若干周波数がずれてしまう問題がありました。結局図では簡単な形になっていますが、これだとあまりCTの信号が小さいと位相信号をICが拾えないのである程度信号の振幅がある場合は有効です。ただ信号が小さいからと汎用コンパレータ等を入れるとそこの遅延が問題になってきます。また、入力位相が180度ずれると強制的に最低周波数に張り付くので位相を拾えてるのにも関わらず、周波数が最低に固定される場合はCTを逆にしたりしてみると解決することがあります。CTの出力は交流ですが、全波整流してしまうと倍の周波数と認識されると思うので注意しましょう。

これをLC共振回路につないで、ロックしてんなーって遊ぶのも楽しかったですが、それだけじゃつまらないのでIHでも作ってみました。
ただ金属が赤熱してるだけです。画像では多分800Wくらい投入してます。周波数調整無しで動くので非常に楽ちんです。ただ、直列共振だと金属を入れない時に共振周波数に追尾すると半端無く電流が流れて素子が熱くなったり、死亡したりするのでご注意を。
 もうちょっと赤熱させてみた。変な色ですが実際は赤に近いです。もう少し入力を上げれば多分溶解できます。周波数は160kHzくらいで、PLL制御回路→IGBTのハーフブリッジ→インピーダンス変換トランス→LC直列共振って感じの構成です。これについてはまた記事を書くかもしれません。実は1kW級のPFCと繋いで定電力制御とかしたりする計画もあります。
 素子的には1500Wくらいは余裕で耐えそうですが、共振コンデンサがアツアツで大変だったり、配線してる銅バーが基板との接続部分でハンダが溶け落ちたりするのでこれくらいの入力電流が限度です。IGBTの速度的にかなりやり過ぎ感がありますが、意外と発熱は少なく強制空冷無しでも触れる温度でとどまっていてくれました。

それでは、今日はこの辺で。

2015年9月12日土曜日

4046について その3

こんにちは。kktです。
過去記事を見てるとシリーズ記事(の予定)をずっとパート1で放置してることが多々あるようです。ちょくちょく実験はしてるのでそのうち続きを書く予定です。お待ち下さい。

さて、前回LC共振回路の共振周波数を見つける回路を設計した訳ですが、結論から言いますとバッチリ動きました。特にこれといって工夫があったわけではないのであまり説明は無いです。ブレッドボード上に組んでみて幾つか問題点もあったので写真とともにどうぞ。
 

実験に使ったLとC
共振電流を見るためのカレントトランスもついていますね。

 実験回路
共振電流の波形整形にLM393を使いました。ただオープンコレクタ出力なのでちょっと応答速度が気になりますね。ついでに4046の1ピンにLEDを付けて位相状態を見ています。位相のズレが少ないほど明るく点灯します。

動作中の共振電流と駆動電圧波形
電流と電圧の位相差がきちんと0になっています。

前回微妙によく分からなかったLPFですが、取り敢えず遮断周波数35Hzにしてみて問題なく動作しています。特に波形が乱れたりだとか不安定な動作は見受けられませんでした。
上の波形は位相のズレを補正した後のものですが、やはり補正前は少しずれます。この位相のズレを補正する回路を次回は設計してより実用的な回路にしていきたいと思います。

それでは、今日はこの辺で。

2015年8月24日月曜日

4046について その2

こんばんは。kktです。
記事名でお察しの通り4046の利用についての記事です。読み返すとこのシリーズの前回の記事は表現や説明がガバガバ過ぎたのでほとんどメモ的なものだと思ってください(?)。前回は軽く各ピンの機能を説明しましたが、一番大事な負荷の位相のことを考えるのを忘れていたので考察します。

LC直列共振回路の場合を考えます。PLLのロック、アンロック状態を決める位相の状態は、基準波形に対して遅れている、進んでいる、位相差無しの3つが考えられます。今回は実際にLC共振回路を動かしてみて各部の波形を見てみましょう。ちなみにコイルは実測110μH、コンデンサは0.39μFのものを使用しましたので共振周波数は24KHzくらいでした。

まず、駆動周波数が共振周波数より低い場合。
 0Vラインより上の矩形波がLC共振回路の入力電圧波形、変な正弦波みたいのがLC共振回路の共振回路の電流波形です。見ての通りですが電圧波形が立ち上がる前に電流波形が立ち上がっていますので位相は進んでいます。

今度は駆動周波数と共振周波数が合っている場合
 画像のホワイトバランスが変ですいません。電圧と電流の位相は合っています。ついでに共振回路のQが常識的に高いと矩形波で駆動しても電流波形は正弦波になります。今回はだいぶ歪んでるけど…。

そして駆動周波数が共振周波数より高い場合
電圧波形が立ち上がっているのに電流波形は遅れて立ち上がっています。位相は遅れていますね。

以上より、直列共振回路の場合、PLLの制御は電圧波形を基準にすると
位相の進みを検出:周波数を上げる
位相の遅れを検出:周波数を下げる
というので問題ないはずです。



さて、共振回路の位相の状態が分かったところで、LC直列共振回路の共振周波数を探す回路を実際に作りたいと思います。いきなりIHやテスラコイルを作るのは難易度が高いので小型のCとLを直列に接続してそれをドライブすることで簡易的に負荷を再現することにしました。周波数可変範囲100~300[kHz]にし、LC回路の駆動は簡単のためとスイッチング素子用のゲートドライブICを使用することにします。

まずVCOの設計をします。
最小周波数Fminは100[kHz]、最大周波数Fmaxは300[kHz]、電源電圧5[V]とするとデータシートのFigure6より、C1=1000[pF] R2=10[kΩ]あたりで良さそうです。CもRも精度が出るような部品を使用するつもりはありませんし精度が重要な場所でもないのでむしろ可変抵抗にしてしまっても問題ないでしょう。可変範囲を後から変更できるしそのほうが良いかもしれません。
次に、R1を求めます。周波数可変範囲係数(ワイが勝手に命名)=Fmax/Fminが必要なので計算します。今回は3です。この数値からFigure7を見るとR2とR1の比が求められます。縦軸3のところを見るとだいたいR2/R1は2くらいなのでR1=5[kΩ]と求まりました。2つとも可変できるようにするとかなり広い範囲で対応できそうですが調整が結構めんどくさそうなので今回は固定にしてしまいます。
以上より、C1=1000[pF] R1=5[kΩ] R2=10[kΩ] とします。

次にVCOとPC(位相比較器)の接続部分を設計しようと思います。が、先ほどのデータシートにはLPFの設計についてほとんど記述がありません。LPFの定数設定は、周波数制御の安定性を決める重要な部分と思われるので適切に設計したいところです。海外等の作例を見ていると遮断周波数は数百Hz~数Hzとバラバラです。安定動作と過渡応答の特性を両立させるには実機で確かめる必要がありそうです。根拠は無いですがとりあえず70Hz(手持ち部品の関係ですが)くらいで試してみます。具体的にはC=0.1[uF] R=22[kΩ]にしました。

比較する位相は、実用的にLC共振回路の電流と入力電圧波形(VCOのすぐあと)にするとすると、4046が前述の動作をするには14ピンに電流の位相信号(カレントトランスかシャント抵抗で検出)、3ピンに入力電圧波形で良いことがデータシートのFigure1から分かります。これで位相が進んだらVCOへの電圧が上がり、周波数を上げることができます(逆もまた然り)。
ところで前回記事で4046の位相比較器1(XOR構成)はゴミみたいに書きましたがFig1を見ると普通に使えそうですし、よく考えたら位相比較器2の方でもどっちの入力位相基準にするかは、ちゃんと確認しないといけませんね。すいません。余裕があればPC1の方も使ってみたいと思います。

ついでに4ピンに入力される信号と実際にLC共振回路を駆動する信号はどうやら若干遅れがあることが分かっているので遅れ時間を少し可変できる遅延回路を組んで様子を見ることにします。

と、ここまで決まりましたが回路の実装はもうちょっと時間が掛かりそうなのでここで一旦今回は終了ということで、次回までお待ちください。

それでは、今日はこの辺で。

2015年5月20日水曜日

4046について その1

どうも、なかたじゃない方です。
 宣言通り更新します。

早速本題ですが、海外のテスラやIHの作例を見てるとよくCD4046や74HC4046等のICをPLLに使用しているのを見かけます。4046は2個の位相比較器と1個のVCO(電圧制御発信器)が入っていて、丁度テスラやIHのようなLC共振回路を制御するのに便利なんですね。LC共振回路はLとCのインピーダンスが打ち消し合って0になるポイントが共振周波数となりますが、特にIHのような負荷の状況がコロコロ変わってしまう回路はその都度共振周波数を合わせ直してやる必要があるわけです。そこで4046でPLLを構成すれば、自動的に負荷の状態に合わせて周波数を勝手に調整してくれるという神的なことができるわけです。

しかし、作例の中には4046の位相比較器を使っているもののうまくVCOと接続されていないものや位相のずれを考慮していないものもありました。 ということで今回は4046を完璧に使いこなせるように各ピンの機能や、周辺回路を考えていこうと思います。

まずはすべての基本となるデーターシートを見てみましょう。
http://eeshop.unl.edu/pdf/CD4046BC.pdf
まず簡単なVCO部分から見ていきます。
 少し見づらいですが、問題ないでしょう。
6,7ピンは内部の発振回路用のタイミングコンデンサです。9ピンがVCOINでここの電圧で、周波数を制御します。周波数の下限と上限は 11,12ピンで決まります。データーシート内にコンデンサと抵抗のいくつかの組み合わせでの周波数の変化のグラフがあるので参考にしましょう。ここを可変抵抗にすればVCOで可変できる周波数の範囲も変わるので調整には便利かもしれません。そして5ピンですがこいつはVCOの出力を禁止するピンで、注意したいのがVCCに接続した時に発振が禁止されます。普段はGNDに落としとけば問題ありません。4ピンがVCOの出力でここからデューティー50%の矩形波が出ます。CD4046なら最大0から18Vまで振れますが電流はあまり取れないので直接駆動できるのはLED程度でしょう。
続いて二個の位相比較器(PCⅠ、PCⅡ)についてです。PCⅠは図の通りEXORを利用した位相比較器となってます。PCⅡはフリップフロップを使用した位相比較器です。両方共入力は共通の14、3ピンで、ここは最低でもロジックレベルの信号を入れるのが望ましいでしょう。実験したところダイオードのクリッパで0.6V程度にした信号では作動しないことがありました。しかしICの耐圧を超えてもまずいのでツェナーダイオードかショットキーでクランプするなどして対応しましょう。
さてPCⅠの出力ですが、EXORの真理値表を思い出すと二入力のEXORでは入力の値(HI LOW)が異なる時のみ出力がHIですね。 ということは2つの入力が完全に一致している時は出力はLOW、どちらかが遅れたり、進んだりしていると入力の立ち上がりと立ち下がり
で少しHIになってLOWみたいな感じになるのは想像できますね。
 3つの波形のうち上下2つが比較したい信号入力で真ん中がPCⅠの出力です。比較対象の上の信号が2パルス目からt秒遅れているのでEXORの出力が変化しているのが見て取れます。先の2パルスは完全に同じなので出力はLOWのままです。
お気づきの方もおられると思いますが、このPCⅠではどちらの信号が遅れている、進んでいるというのを検出するのは少し難しい気がします。PCIを使用する場合は位相差が0の時に周波数を上限か下限に近づくように制御される(と思う)ので、位相がずれる方向を一定にしておく必要がありそうです。

そこでPCⅡの出番です。こいつはフリップフロップを利用したもう少し高度な位相比較器で2つの信号の位相差から位相が進んでいる、遅れている、合っている、と三種類の状態を出力することが可能です。これを使用すれば、周波数を上げるべきか下げるべきか検出することができるのです。どんな動作になるのか実際に回路を作って実験してみました。
とても簡単な回路です。
 13ピンからの出力でLED光らせるだけです(やべぇこれめっちゃ楽しい)
これをファンクションジェネレーターとハーフブリッジとLC、適当なドライブ回路につないで、共振周波数付近で周波数を前後してみると、入力周波数が共振周波数以下の時は下側のLEDが点灯(つまり出力はHIGH)、入力周波数が共振周波数を上回っている時は上側のLEDが点灯(つまり出力はLOW)します。位相がほぼ同じ時には両方のLEDが点灯します。こいつの出力をVCOにつなげば共振周波数を追尾してくれること間違いなし!と言いたいところですが、実は回路の様々な部分で位相のズレが生じます。電流も観測しながらファンクションジェネレーターをいじるとよく分かるのですが、共振電流が最大つまり共振周波数とピッタリな時よりちょっと前や後でLEDが両方点灯します。 理想的な回路では共振した時に入力と出力の位相がピッタリ合うはずですが、すこしズレているようです。位相の基準入力をファンクションジェネレーターから、ゲートドライブトランスの直前にしてもまだずれているので、ゲートドライブトランスやその後のパワー回路での位相ズレがあるようです。これを補正すれば完全に共振周波数でPLLをロックできるはずですが、それについてはまた次回ということにしましょう。
 それではまた…

おまけ:つかったファンクションジェネレータ