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注意、免責事項について
・高電圧、大電流その他高エネルギを扱う実験を行う際にはくれぐれも安全に配慮し、細心の注意を払って行うようにしてください。
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2016年7月25日月曜日

Single ended induction heater その3

おはようございます。ずいぶん前の記事なのでもう忘れかけです。時事ネタは線で消しました。
テスト前になりまして工作する時間が増えました。
題名から分かるようにシングルIHシリーズの記事です。
だいぶ前ですがシングルIH用のIGBTを購入しまして、ようやく実験致しました。
結果から言いますと回路の改良もありまして、1500W連続投入に成功しました。素子はFGA50S110Pという奴でデータシートを 見るからにシングル並列共振用途向けです。シングルでコレクタにL系の負荷があると共振中はかなりコレクタ電圧が持ち上がってしまうのでAC100V入力 でも最低900Vくらいは無いと安心できません。1100Vはちょっとマージンを見過ぎかもしれませんが(調整中に3つくらい壊した)値段的にこれがそこ そこ良かったと記憶しております。ひとまず安定版の回路図を以下に示します。いつもの通り参考にする場合は自己責任でよろしくお願いします。
当 初よりかなりシンプルになりました。図中の、Vh-GNDには加熱コイルの電源ライン、C-GNDにはIGBTのコレクタを接続します。OUTはもちろん IGBTのゲート信号なのですが、IGBTもまた容量性でしてこいつをスイッチングするためにトランジスタ等でバッファを入れてやる必要があります。僕は 実験的にC1815とA1015のプッシュプルを入れていますがもうちょっとしっかりドライブできるとなお良いという感じでしょうか。各定数は僕の加熱コ イル(70uH)用に調整してあるので、特に103のコンデンサなんかは要調整です。初っ端からAC100Vを突っ込む勇気のある人はかならず後段コンパ レータの比較電圧が十分小さくしてあることを確認してください。これがパワー調整になっています。スライダックや安定化電源での試運転を強くおすすめして おきます。1815のコレクタについてる可変抵抗はON時間調整用CR時定数を可変するもので、小さくするほど三角波の傾きが鋭くなります。ので、 IGBTのゲート信号間隔が遅くなります。小さくすると一周期あたりのON時間は増えてしまうのでその都度パワー調整可変抵抗で調整しましょう。

↓今日執筆↓
こ の回路動いたんは動いたんですが回路図からも分かる通りZVSよりはタイミングが早いですね…。なので少しノイズと損失が多いようです。コレクタ電圧が跳 ね上がって、降りてきて最小になった部分でONするのが最高効率ですが上の回路だと電源電圧に戻って来た時にONしているので本当のZVS動作はもう少し ONを遅らせねばなりません。加熱コイルのインダクタンスや共振コンデンサ容量によっては損失が相当増える場合もあるのでご注意を。タイミング遅延をする だけならLM393の2ピンにコンデンサを入れて検出するコレクタ波形を遅延させてみたらうまくいくかもしれません。
説明不足でしたが、パワー調整は後段こコンパレータにつながってる10kVRでできます。電圧で制御できるのでマイコンとかとつなぐことも考えていたんでしょうか。
↑今日執筆↑

それでは、今日はこの辺で。

2015年7月18日土曜日

Single ended induction heater その2

こんばんは、kktです。
前々回記事でシングルIHの試作(一号機と命名)をしました。安定版の完成が間近なのでお知らせします。

まず、一号機の欠点ですがPFC機能を追加したせいで、出力電力の調整がボリュームでしか行えないこと(外部から電圧で制御できると何かと便利じゃん?)、入力電力を一定にしようとするとCTが2つ必要であること、などが挙げられます。解決にあたって、電力調整の問題はOPアンプとかで入力電流を割ってやれば電圧でコントロールできそうですが、後者のCT問題は回路の構成の変更が必要です。また、一号機の回路はゼロボルト検出を早めに行こなっているのにもかかわらず遅れ時間をろくに取れないという致命的な欠陥があったので大幅に回路を変更しました。
新しいブロック図
  
一号機のCT電流検出→FFリセットの流れはいまいちだったので一新。三角波を生成して電圧で完全に出力をコントロールできるようにします。この方式ですと定数の調整が難しいですが、CTなしでもOFFタイミングを生成できるので採用です。実験的に555等のタイマーICでもOFFタイミングを生成して動作させましたが問題なく動作しましたので記しておきます。

三角波の斜辺は入力電圧に対する直線性を決めるのに重要なパラメータですので単なるCR充電時定数によるものではなく、カレントミラー回路による定電流回路で構成します。ちなみに一般的には三角波はゆっくり充電し、一瞬で放電するスロープ充電が使われるようですが今回は動作のわかりやすさを考慮して三角波の立ち上がりが一瞬で上がるスロープ放電を使用しONタイミングを優先するように回路を構成しています。VRはPWMコンパレータに入力する比較電圧を決めるもので、これで出力電力を制御します。
この三角波発生回路にトリガ用の矩形波を入力するとこうなります。
  
これはファンクションジェネレータから信号を入力しているので入力インピーダンスが高く若干立ち上がりが訛っていますが、実際に実装する際は前段にバッファを入れるので問題なくなるはず。画像では20uS程度ですが、IH動作中の最大ON時間くらいにスロープの時間を決めます。
バッファと立ち上がりトリガの微分回路も入れると結構綺麗になります。
 悪くなさそうです。
 このキャプチャは実際にIH動作中の波形です。素子の最大ON時間は30uSくらいで十分だったので少しフラットな部分ができていますが動作には問題ありません。この三角波と制御電圧をコンパレータに入れれば矩形波ができてIGBTをドライブして共振回路を駆動します。

現状高耐圧のIGBTが家にありませんので現在の回路では300W程度までしか動作確認していません。近々注文する予定なので1kWくらい入力して損失が十分少ないようでしたら回路図を上げようと思います。
 それでは、今日はこの辺で。

おまけ
CPUクーラ上のMOSFET氏
 ATX電源に使われていた素子で500V15Aくらいです。ON抵抗が0.35Ωですがピーク電流が50A流れると18V弱電圧が生じるのでこういう用途だと1200V耐圧でも飽和電圧が2.0V程度のIGBTに優位性があるのがよくわかります。

2015年6月28日日曜日

Single ended induction heater その1

こんばんは。

最近自励式に非常にハマっていて特にIHの回路を考察してました。ちょっと前まではPFCを作っみたんですが、出力電力を測ろうとして電子負荷つないだら配線ミスって回路燃やしてしまいまして…それからPFCはいじってません()まあ自励だけだと面白く無いのでZVSとかZCSなる損失低減の工夫もしています。あと、僕はマイコンを使う技術がほぼ0なので全部ディスクリートで組みます。ということで今日は自励式シングルドライブZVS高周波誘導加熱装置について書こうと思います。

まず回路の大まかな構成はこんな感じです。
非常に簡単な構成です。※よく考えたらZVS検出っておかしくね?ゼロボルト検出じゃね。
書き忘れましたがフリップフロップはZVS検出でセット、電流が閾値超えたらリセットです。
電流の閾値を可変することで実質的に素子のON時間を可変しパワーを制御できます。
ZVS検出は素子がオフしたあと、一回コイルのエネルギーで電圧が立ち上がって、降りてきて0になったところでもう一度素子をトリガするので、その降りてきて0になった瞬間を検出するだけです。
動作波形を見て行きましょう。

まずコレクタ電圧波形です。
X10倍のプローブなのでコレクタ電圧は最大55Vくらいでしょうか。
この時の電源電圧は15Vくらいだったと思います。
お気づきの方もおられるかと思いますがターンオンが若干速い気がしますね。
コレクタ電圧が最大を超えて下降して0になるちょっと前にストンと落ちています。
コンパレータで検出する際に若干コレクタ電圧を低めに検出しているのでそのせいだと思います。
これは制御電源をあとで入れた場合に初期状態でスイッチングが始まらないこと心配して低めに検出させました。ここからもう少し素子のターンオンを遅らせるといい感じになりそうです。
次に、CTで検出しているコレクタ電流です。
CTで検出してる割には綺麗に検出できてる気がします(?)。図中にあるように周波数は23KHz後半ですね。コイルに電流が流れて一定の上昇率で上昇して、閾値超えたら素子をターンオフしている様子がわかりますね。

これらから生み出されるゲート駆動波形です。
C1815とA1015のプッシュプルなので特にうまいことスイッチングできてるわけではないようです。欲をいえばもっとスパッと立ち上がって、ON電圧も18Vくらいは欲しいです。改良が必要です。40Wくらいの入力電力では発熱箇所はほぼ無いくらいでした。200Wくらいまで入力電力を上げるとスイッチング素子が下のような放熱板をつけて自然空冷でしたがほんのり暖かい程度でした。
損失は低く抑えられているようです。

さて、ここまでは直流の電源装置に接続して実験しました。
モアハイパワーを求めたいのでAC100V電源を整流して電源を得たいところですが、商用電源は交流なので整流してデカい平滑コンデンサを噛ませて入力してやれば良いわけです。
が、こうすると力率が悪く高調波を生じやすい装置になってしまいます。
ここで、PFC機能も付加したいと思います。
電流検出の閾値を入力の脈流によって制御し、入力電流を正弦波に近づける制御を行います。

と思いましたが、よく考えたらコンデンサインプット型の回路ではないので高調波や力率はあまり心配しなくても良い気がしてきました。(7/3追記)

電流はこんなかんじになりました。
時間軸を引き伸ばした波形を撮り忘れましたが、いちおう60Hzで変調されてるみたいな波形になっているので大丈夫そうです。

次にコレクタ電圧波形です。
これを引き伸ばすと、
ちょっと上下対象じゃない感じもしますが、いい感じではないでしょうか。

ちなみに入力電力は500Wちょっとくらいです。
この時はコレクタ電圧が400Vくらいでした。
 
意外と低く収まってます。入力はAC100Vです。
さすがに電流がかなり増えてきたので先ほどの放熱板程度では触れるぎりぎりくらいの温度まで上がりました。次回は1KWを目指してさらなる損失の低減について記事を書こうと思います。安定版ができたら回路図も載せようと思います。

あと、名前を変えました。なかたじゃない方はkktに進化しました。

では、今日はこの辺で。