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2017年5月28日日曜日

中華CNC「CNC2418 ER11」でCADデータを切削してみる~二次元CADの場合~

どうも、KKTです。

今回は前回購入したCNCで加工までの流れをご覧に入れようと思います。
全体の流れとしては、

1.CADソフトで加工したい形状を描く
2.CAMソフトでGコードに変換するとともに切削条件等を決める
3.GRBLControllerでGコード読み込み切削する

という感じです。では早速やってみましょう。

1.CADソフトで加工したい形状を描く
まず対象の材料をどのように加工するのかを考えます。今回は基板のパターンでは無く単なる材料の切削、つまりアクリル等で部品やケースを作る時のことを考えます。
CADソフトはお好みのもので構わないと思いますが、今回は「Jw_cad」を使用しました。ホームページより最新版(Version 8.03a)をダウンロード、インストールして使用しました。
まず起動するとこんなんになると思います。
どうでもいいかもしれませんが、設定→基本設定の「用紙枠を表示する」にチェックを入れておくと見やすいです。

続いて、後のCAMソフトにデータを渡すための設定を行います。画面右のレイヤー一覧から、現在選択されている赤丸のレイヤー番号を1度右クリックします。
するとレイヤ一覧が開きますので以下のように(0)にORIGIN、(1)にCAMと名前を付けて閉じます。私は(3)にもAuxという名前を付けていますが、補助線用のレイヤなので必須ではありません。名前も適当で良いです。名前はレイヤの数字を1度クリックすると変えられます。この設定はCAMソフトで読み込まれるもので、ORIGINレイヤに存在する円の中心が原点に、CAMレイヤが切削データとしてそれぞれ読み込まれます。

さて、まずは作りたい形を②のレイヤに作りたい形状を描いてきます。後からわかりやすいように線の色を変えることをおすすめします。レイヤは数字を右クリックすると選択されます。

僕はこんな感じにしようと思います。
左と下にある直線は基準線なつもりで描いたのですが意味が無かったので無視してください。

さて、次はレイヤを①に切り替え、また違う色で掘るべき線をなぞっていきます。線モードで点の近くで右クリックするとそこから線が始まりますので、次の点近くでまた右クリックすると線をなぞることができます。
大きくなっているのは拡大しているからです。このような図形ではほとんど②レイヤで補助線を描く意味がありませんが、もっと複雑な図形になると大いに役に立つと思います。

最後に、原点を示す円を0番レイヤに描きます。念のため色を変えておきます。
原点を置く位置としては、図形の一番左端がわかりやすいと思います。円のアイコンをクリックして、円の中心を指定すれば描けます。半径はなんでも良いです。線の端や点を原点としたい場合も同様に右クリックすれば一番近い点(ないし線の端)が原点になります。実は上の画像ではTの下端の方がKの下端より下でしたのでこの後修正しています。

これで描画はおしまいです。一応レイヤの様子も載せておきます。
これでjw_cadでの作業は以上ですので、jww形式で保存しておきましょう。

2.CAMソフトでGコードに変換するとともに切削条件等を決める
使用するソフトは、NCVCというソフトです。ド定番のようなソフトらしいのですぐダウンロードはできるかと思います。デフォルトのフォルダにインストールした場合僕の環境では管理者権限の関係で一部の設定ファイルが書き込めなかったりしたので管理者権限で実行する必要があるかと思われます。起動したら、Read_jwから先程保存したファイルを読み込みましょう。

こうなりました。
なんかエラーが出る場合はなんとかしてください。

続いてオプション→切削パラメータの設定 を開き、「Init.nci」を開きます。取り敢えず以下のように設定して、新規保存しておきました。
主軸回転数は(rpm)となっていて、これがそのままS****というGコードとなって送られます。ちゃんとしたCNC加工機であれば主軸の回転速度が調速されるはずですが、購入したマシンでは0~1000の間で単にPWMのデューティ比が0~100%に変化するだけのようです。つまり最大が1000、最小が0なだけで正確な回転数では無いということですね。今回は音がやかましいのと、振動で精度が悪くなるのを考慮して500としました。
続いて送りはF****というGコードになる部分で切削加工の際、何mm/分で動かすかを指定するものです。試験的に60mm/min、1秒に1mmの速さです。
R点は切削時どれくらい刃物を上げるかです。切削する時は当然刃物は材料の表面より下にあるはずですが、切削が終わって刃物を別の場所に移動させる際そのままですと材料を削りながら移動することになったり刃物が折れたりするので一旦上げる必要があります。その高さをここで指定します。今回は5mm戻していますが、ワーク(切削対象)は平板の予定なのでもっと小さくても問題ありません。NCNVの設定では、加工中はすべてR点の高さに、加工終了後は切削原点の高さまで戻ります。
切り込みは刃物を材料の表面をどれくらい深く切削するかです。今回はMDFを切削予定なので結構深くしても問題無いですが、硬い材料を切削する時は深刻を使用して何回かに分けて切削するべきです。マイナスで指定しませんと意味が無いので注意。

カスタムヘッダー・フッターはデフォルトのままですと後の工程でエラーが出ますので以下のように修正しました。デフォルトとは別の名前に新規保存してデフォルトは残しておくことをおすすめします。
ヘッダー
{G90orG91}
{Spindle}M03
 
フッター
M05
{G0XY_Initial}
M30

すべて設定できたらOKで閉じて、ファイル→NCデータの生成→標準生成 でOK押せば指定したフォルダに*.ncdというファイルが出来上がっています。一応中身をメモ帳なりで確認しましょう。

G90
S500M03
G00Z5.
G01Z-0.3F60.
Y17.221
G00Z5.
X9.788
G01Z-0.3
X0Y8.254
X10.156Y0.221
G00Z5.
X15.141Y-0.044
G01Z-0.3
Y17.177
G00Z5.
X24.929
G01Z-0.3
X15.141Y8.21
X25.297Y0.177
G00Z5.
X35.031Y0.448
G01Z-0.3
Y17.074
G00Z5.
X42.17
G01Z-0.3
X27.598
G00Z10.
M05
X0Y0
M30

Gコードはググったら出てきますのでプログラムがどんな流れで動いているのかは把握すべきだと思います。手打ちでプログラム書いた時や修正した時は、Z軸(刃物)が切り込んだままG0等の速送りが行われていると致命的なので確認しましょう。
最後に、出てきた*.ncdファイルの拡張子を.ncに変えておきます。


3.GRBLControllerでGコード読み込み切削する
使用するソフトはCandleというソフトです。以下よりダウンロードできます。
このソフトでシリアル接続されたCNCマシンに移動やGコードを送っての制御ができます。最新版をダウンロードしてみたところうまく動きませんでしたのでversion 0.8.4を使用したところうまく動作しました。ソフトを起動してCNC2418とPCをUSBケーブルで接続します。Service→Settingsを開くと設定画面が現れます。
Portは接続していれば再読込マークで認識されると思います。いくつかシリアルポートが存在するPCならデバイスマネージャなりから調べて設定します。変更したものだけ記載します。
Baudは115200で動きました。9600では動作しなかったような気がします。
Spindle Speed minは最小主軸回転数で0を設定します。
maxは1000にします。
認識されるとこんな感じになると思います。

説明の便宜上右の方の拡大図を用意しました。
右の方のJogという項目で各軸の手動送りができます。ボタン押すと動くと思います。送り量は①で指定します。スピードはSettingsで変えられたはずです。ほんとに操作したように動くので刃物を変なとこに当てて折ったりしないように注意しましょう。ワークやテーブルをいじったりする時は必ずContolのSafe Z(②番)を押すなりして刃物を安全な位置まで移動させましょう。図に書き忘れましたがZ軸はX+の字の上と下にある三角で操作します。

続いて原点の調整を行いましょう。まずワークをテーブルの中心付近にしっかり固定します。
付属していたバイス(?)の使い方がよくわかりませんが取り敢えず固定できているのでよしとします。

次にワークのどの位置を原点とするかを決めます。
今回は鉛筆で描いた四角の位置に文字を掘ることにしました。JogでXY軸を操作してこの四角の大体左下辺りまで持ってきます。

持ってきました。この状態でControlのZeroXY(③番)でここをXY原点とします。

Z軸の原点も当然設定しないといけないので、Zの送り量を0.01または0.1にして細心の注意を払いながら刃物の先端と材料の隙間が0くらいになるまで下げます。硬い材料だと失敗すると刃物が折れるの注意しましょう。なお材料に導電性があるものでしたらZ軸プローブなる機能で自動で設定できたりします。また基板加工の時にお話しようとおもいます。
導電性が無い材料の時、僕は紙を挟んで動かしながら0.1づつ下げていって紙が動かなくなるところで④番のZero Zを押します。
設定できたら②番で一旦上に上げて、紙を除きます。

CNCマシンは今設定した原点を元に加工します。加工する前には必ず設定しましょう。

次にCandleに2.で作成したNCデータを読み込みます。File→Openから開きましょう。
先程作ったデータが読み込まれました。なぜか一番左のKの字の線が見えませんがGコードを見る限り問題無いのでこのままいきます。原点を調整してあればこのままSendを押せば加工が始まります。加工中は今どこにいるのかがウィンドウ内に表示されます。おもしろい機能です。

しばらく待つと完成します。
まさかの失敗してます。

加工中の音でわかったんですけど、Tの直線を加工中にステッピングモータが脱調して縦線が少し短くなってしまいました。今までこんなことなかったのですが、Y軸の送りの抵抗が大きすぎるようです。油を差すなり組み立てをやり直すなりする必要があるようです。


以上が加工までの流れとなります。失敗してしまいましたが普通はうまくいくと思います。次回は本命の基板切削かもうちょっと発展した加工の記事となる予定です。お楽しみに。

Web拍手反応


> 次回はマルクスの記事です。
ちがいます。
 
> 5月中におじき出した経験談など教えてくださいな
あんまり工作してません。と言うかそんな月に何度もおじき出しているイメージなのでしょうか。怖気づく経験はそんな良くするものじゃないような…。
怖気づくとは違うかもしれませんがやらかしたことを貼っておきます。
見事にテーブルに傷を入れてしまいました。一生モンの傷です。


それでは、今日はこの辺で。
http://clap.webclap.com/clap.php?id=fellabo

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